16: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2018/05/12(土) 01:49:48.01 ID:aw+Q2owr0
アパートに越してきた方々は、以前にも幾人かおられたそうな。
しかし彼らはどうしたことか、お体やお心を病み、皆すぐに出て行ってしまいました。
このアパートが「デル」危ない場所だと知れ渡るに十分な出来事でございましょう。
17: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2018/05/12(土) 01:51:31.00 ID:aw+Q2owr0
〇
メイド「お嬢様!」
18: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2018/05/12(土) 01:53:11.04 ID:aw+Q2owr0
メイド『……無力な私めをお許し下さい。もとはといえば、ここに住むと提案したのも……』
ライラ『もう、あんまり弱気にならないで。私なら大丈夫だから』
19: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2018/05/12(土) 01:53:56.42 ID:aw+Q2owr0
日がとっぷりと暮れ落ちて、やはり泣き声はどこからともなく。
叫ぶように、訴えるように、或いは呪うように。
20: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2018/05/12(土) 01:54:46.26 ID:aw+Q2owr0
〇
さてお仕事を探さねばなりません。
21: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2018/05/12(土) 01:56:40.54 ID:aw+Q2owr0
「ふぅ……ありがとうねぇ。助かったわぁ」
「いえいえー。お役に立てて、よかったでございますです」
22: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2018/05/12(土) 01:59:16.47 ID:aw+Q2owr0
「そうねぇ。家族が一番大事だわ」
「はいですー」
「だけどライラちゃんは、私みたいな他人にも親切なのね。私達はあなたに冷たくしたのに……」
23: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2018/05/12(土) 02:02:20.88 ID:aw+Q2owr0
「――そうそう。あのアパートはずいぶん昔からあってねぇ。
長いこと色んな子が下宿してたんだけど、十年ばかし前だったかねぇ――」
24: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2018/05/12(土) 02:03:35.23 ID:aw+Q2owr0
〇
泣き声は、夜毎に強く、近くなっているようでございます。
25: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2018/05/12(土) 02:05:10.19 ID:aw+Q2owr0
〇
アルバイトの募集をしている場所はいくつかあるのですが、条件が合致しません。
26: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2018/05/12(土) 02:06:26.10 ID:aw+Q2owr0
「あー……どこから言やいいのか」
彼はどこかばつが悪そうに頭を掻き、思い切ったように腰をくの字に曲げました。
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