77: ◆CItYBDS.l2[saga]
2018/08/13(月) 23:31:20.50 ID:mSb4wVOg0
「し、しかし、さっきからワインの事をぼろくそに言っているな」
少しの逡巡。
「そういうわけじゃあないけど……」
これまで、歯に衣着せぬ物言いをしてきた遊び人にしては歯切れ悪い。
再びの逡巡を得て、やっと話始めた。
「……気取って酒を飲む連中が嫌いなのよ。『酒は飲むものであって語るものではない』ってのが私の持論なのよ。ねえ、アンタもそう思うでしょ?」
「どうかな、時と場合によるかな。王侯貴族と同席しているとか、特に良い酒を飲む時はそれでもいいんじゃないか」
「そう……」
「けどまあ、二人で飲むのに気取る必要はないかな」
「そう!」
非常にわかりやすい反応だ。まるで、年端もいかない少女じゃないか。
酒瓶を片手にした朗らかな少女。なんか背徳的だ。
さて、彼女の好感を勝ち得たところでここはもう一押しと言ってみようじゃないか。
「―――まあ、二人で飲むってのはいいかもな」
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