遊び人♀「おい勇者、どこ触ってんだ///」
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67: ◆CItYBDS.l2[saga]
2018/08/13(月) 23:26:10.07 ID:mSb4wVOg0

教会とワインは、切っても切れない関係だ。それは、禁酒法制定化においても例外ではない。


ワインの紫を帯びた赤は、古来より血の色に見立てられ。神の血として、宗教的儀式において欠かせないものとなっており、教会があるところには必ずブドウ畑がある。

むしろブドウの栽培が可能かどうかが宣教先の選定において重要な位置を占めていたとも言われるほどだ。大きい声では言えないが、かつて神と相まみえた聖人たちはワインで酔っぱらって幻でも見たんじゃないかと疑いたくなるほど教会とワインは深くつながっている。

この国において、国民の多くは女神正教の敬虔な信者だ。故に、教会は強大な権力を有している。

そんな教会の、ワイン醸造の一切を禁ずることは国王をもってしても為すことができなかったのは当然と言えよう。


では、女神正教の信者たちはワインだけは自由に手にすることができたかというとそうでもない。

意外なことに、禁酒法推進派には教会の人間も数多く含まれていたのだ。酒におぼれた信者たちを嘆く者達と、酒市場の独占を狙う者達の二つの派閥だ。


急激な工業革命によって、人々の手に様々な酒が届けられるようになると社会に一つの問題が浮き上がった。

より強く、より安価な酒が気軽に手に入れられるようになり、酒場の喧騒は一段と大きくなり。さらには、酒場の外にまで波及するに至った。

路地裏では、酔っ払いが所かまわず用を足し。飲み込んだアレコレを吐いて回り。気が大きくなった小心者が乱暴に振舞い。元々、粗暴だったものはより傲岸となった。

そんな堕落した人々の姿を見せられた教会は、即座に泥酔は背徳であると触れを出したものの。魔王という脅威がなくなり浮かれに浮かれていた人々の乱痴気騒ぎを鎮めるには至らなかった。

なれば、より強力な手段をもって取り締まるべきだと主張した教会の一派は、国王へと禁酒法制定の陳情を行った。


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