遊び人♀「おい勇者、どこ触ってんだ///」
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54:今日はここまでです ◆CItYBDS.l2[saga]
2018/07/03(火) 20:42:45.34 ID:nr7S1uqh0



「……いい天気ですね」



俺は、とんでもない馬鹿だった。月が、お前は馬鹿だと語り掛けてきても不思議ではないほどに。



「……ぷっ、あははははは。三日も部屋を共にして、初めて勇者様から話しかけてきたと思ったら―――」


「そうだねえ、いい月夜だね勇者様!」



頬に熱がのる。見張っているのがばれないよう火を灯していなくて良かった。月明りだけでは、俺の顔が赤くなっているのもばれていないだろう。

だがこれは、いい機会だ。緊張も解れて、自然と会話ができそうな気がする。さて、どうしたものかと次の話題を考える。予想に反して、話題はいくらでも思い浮かんだ。

俺は彼女の事を知らなすぎだ。聞きたいこと、聞かねばならぬことが沸騰したスープよろしく頭からあふれ出てくる。よく3日も一緒に入れたもんだ。



「なあ、いろいろ聞いていい……ですか?」


「敬語を辞めてくれるならね」

「それなら、私の何もかもを教えてあ・げ・る」



その可愛らしい姿に似合わない艶やかさを、声に込めている。彼女は、冗談抜きでは会話の出来ない質なのだろう。



「千鳥足テレポート、あれはどういう魔法なんだ」


「真っ先に出るのがそれ!?もっと私に、興味は無いの!?こんなに可愛い子が、同じ部屋でベッドに転がっているって言うのに?」



窓の外、あばら家に向けた視線はずらさない。というか、ずらせない。彼女の怒気が、冗談ではないのは比較的鈍感な俺にもわかるものだった。

うん、質問するにしても順番が大事だったな。俺は、つい本質をついてしまうきらいがあるからな。人から見れば、すこし性急にに見られるかもしれない。

ならば、順序良く行こうではないか。なに、あばら家に動きはない。時間はたっぷりある。



「じゃ、じゃあ名前は……?」



「千鳥足テレポートってのはね、使用者の願いが強く影響するランダムテレポートなの」



ええええ……はぐらかされた……?


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