遊び人♀「おい勇者、どこ触ってんだ///」
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46:今日はここまでです ◆CItYBDS.l2[saga]
2018/06/17(日) 18:24:35.90 ID:3k6rJQ/z0


俺と彼女は、一つのジョッキにビールを注ぎ代わる代わるに飲み干した。
魔物達の寝息による合唱が音量を増していく。ひょっとすると、酒場の喧騒よりも騒がしいかもしれない。
だが不思議と気にはならない。ましてや良いBGMじゃないか。そう思えるほどだ。

俺の意識は薄らぎ、世界がぐるぐると回っていく。もう何度、ジョッキを空にしただろうか。数も数えられない。
目の前の彼女も、少しではあるが呂律が回らなくなってきている。ぐへへ、このまま宿に連れ込んじまおうか。
そういえば、俺は今日逆ナンされたのだった。ぐへへ、文句はあるまいよ遊び人さん。正義は我にありだ。

さてここで問題です、俺は今日何杯のビールを飲んだのでしょうか。正解は乾杯です。
さてこんなところだね勇者。今日はもう、お開きにしようか。
ん?いま喋ったのは誰だ、俺か?いや、彼女か?


ぱんぱん


突然鳴った、手を二回叩く音。それと同時に、正常性を失いつつあった俺の意識は完全に途切れた。


気づくと俺は、宿屋のベットに寝転がっていた。剣やクロークは床に投げ出され、俺は下着一枚となっている。
枕元には、空になったビールジョッキが転がっている。
どうやって俺は帰ってきたんだ。自問自答するも、記憶があやふやで思い出せない。

まさかと思い、周りを見渡すが遊び人の姿も見当たらない。どうやら、初めてのベッドインとはならなかったようだ。
ため息をつきながらも、むしろ記憶の無い初めてにならなくてよかったとホッとする。

窓を開けると、お日様が傾きかけ真っ赤に染まっている。なんていうことだ、もう夕方じゃないか。
二日酔いで頭痛は酷いが、久しぶりの長時間睡眠のおかげか、いつになく頭がすっきりしている気がする。
いったい、俺はどれくらい寝ていたのだろうか。

大きく伸びをし、外の空気を目いっぱい吸い込む。
さて、やることはいっぱいあるぞ。新しい仲間の行方も探さなくちゃいけないし、昨晩の店に金を払いに行かないといけない。
ビールジョッキも返さないとな。

彼女のことを100%信用したわけではない。千鳥足テレポートなる魔法の秘密。
それに、彼女が騎士団を退役しながらも魔王を追っている理由。謎は多いし、それに伴う不安も多い。


ただ確実に言えることが、一つだけある。


日課のひとつに、一杯のビールを付け加えるのもいいかもしれない。


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