遊び人♀「おい勇者、どこ触ってんだ///」
1- 20
37:なろうでも手直ししながら上げてます ◆CItYBDS.l2[saga]
2018/06/17(日) 18:20:02.44 ID:3k6rJQ/z0
北の氷海、南の孤島、東の王都、西の砂漠、その鳥は、世界中のどこにでもいた。
丸い頭と大きな目、頭から首にかけては特徴的な黒色の帯。さほど大きくない体に、バランスを欠くように長く細い足。
集合性が強く、数千にも及ぶ群れを成すことから、彼らは千の鳥。チドリと呼ばれている。

特に水辺に多く生息する彼らは、その長い足を左右に踏み違えながらよく歩き、餌となる虫を探す。
酔っ払いのふら付いた足取りの事を「千鳥足」と呼ぶのは、その彼らの習性になぞらえてのことある。


「ここは……?」


「さあ、どこだろうね」


酷いめまいに襲われ、世界が暗転した先に俺を待ち受けていたのは、山積みの木箱と木箱に腰を掛けた少女。遊び人だけだった。
周囲を見渡す、天井に据え付けられた照明のおかげで視界は易々と通る。木箱の数からみて相当な広さの倉庫なのであろう。
ここには、言いようのない違和感があるが、鈍く重い今の頭では明確な答えは出てきそうにない。
すっきりしない気持ち悪さが残るものの、今、目を向けるべきは木箱に据わって笑みを浮かべている彼女だ。
テレポートを利用した待ち伏せも警戒したが、周囲には人の気配がない。遊び人の復讐という線は、杞憂だったのかもしれない。

めまいは、まだ続いていた。なんとなく頭をさすろうとしたところで、俺は自身が未だビールジョッキを握りしめていることに気が付いた。
持ってきちゃってたのか。後で返しに行かなくちゃ。


「何をしたんだ……?普通のテレポートとは、少し感覚が違ったが」


「千鳥足テレポート。簡単に言うと、ランダム性の高いテレポートだよ」


「つまり……」


「そう、酔っ払いと同じでさ。何処に行きつくかは、私にもわからないのさ」


俺に怒りがフツフツと湧き上がっていく。


「つまり、なにか。魔王の元に辿り着けるやもしれぬってのは運任せってことなのか!?」


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
296Res/317.15 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice