21:名無しNIPPER[saga]
2018/05/13(日) 22:29:42.75 ID:wI09scti0
保母「……判りました、栄養士さんのためにも私たち二人で食料を持ち帰ってきます!」フンフン
少女「急に元気になったなこの人」
栄養士「頑張って……」
保母「頑張ります!」フンフン
少女「じゃ、ちょっと行ってくるから、私たちが出たらちゃんと扉を閉めて施錠してね」
栄養士「……判った」
こうして、二人は調理室に向かう為に部屋から出て行った。
扉の鍵を閉めると、私は大きなため息をつく。
良かった。
二人は触れてこなかったけど、私はたぶん酷い状況だから。
特に、あの子達の唾液でまみれた身体は早く洗ってしまいたい。
幸い、倉庫には水道が来てる。
街の水道はどうか知らないが、この幼稚園には大きな高架水槽があるからすぐに断水するという事はないはずだ。
私がバケツを用意して蛇口を捻ると、思った通り綺麗な水が出てきた。
破れた個所が目立つ服を脱いで、備品のタオルを濡らして身体を拭う。
先ほどまで私の身体は熱病に侵されたかのように熱かったから、濡れたタオルが心地よい。
何度もタオルで拭いながら、自分の身体の状況を確認してみる。
あの少女は、噛まれた様子はないと言ってくれたけど、本当なのだろうか。
あれだけ「あの子達」に集られて、本当に……。
ああ、ダメだ、思い出してしまった。
なるべく考えないようにしていたのに、思い出してしまった。
あの子達の手唇が、私の、私の身体を噛もうと……。
私の身体に、噛み跡はない。
けど、あの子達が強くかみついた箇所が少しだけ赤くなっている。
そう、まるでキスマークのように。
その印が、私の身体中に残っているのだ。
ああ、ダメだ、考えないようにしないと。
私は蛇口から出てくる水に頭を差し入れた。
冷たい触が心地よい。
そう、忘れてしまわないと。
あんな感覚は。
そう思っている私の耳に、小さな音が届いた。
これは……。
扉を叩く音?
34Res/31.28 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20