少女「幼稚園・オブ・ザ・デッド」
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22:名無しNIPPER[saga]
2018/05/13(日) 22:40:34.63 ID:wI09scti0
保母たちが帰ってきた?

いや、まだ早すぎる。

そもそもあの人たちは倉庫を鍵を持っている。

扉を叩く必要なんてない。

じゃあ誰が……。

私は大きめのタオルで身体を覆うと、窓に近づいてそっと外の様子を伺ってみた。

扉の前に、小柄な人影が見える。

園児の一人だ。

確かあの子は……。


そう、確かに見覚えがある。

内気な子で、声も小さな子だった。

良く給食を残して泣いていた。

偏食気味なあの子のために、こっそり「特別な給食」を用意してあげたことがある。

その子が、倉庫の扉を何度もたたいている。


あの子も、連中の仲間なのだろうか。

見ただけでは判別できない。

顔色は少し悪いように見えるが、こんな状況なのだから判断基準にはできない。

連中と同じであるなら放置しても構わないけれど、もし違うのなら……。

違うのなら、保護してあげないといけない。

私は、そっと声をかけてみた。


「……あなた、生きてる?」


その子は私の存在に気付いたようだ。

扉を叩くのを止め、じっと窓を見上げてくる。

喋らない。

ただ、じっと眺めてくるだけだ。

そう、この子は生前からそうだったのだ。

これでは連中の仲間なのかどうか、判断ができない。


私は少し悩んだ。

生存者であるなら、保護しないといけない。

けど、連中の仲間なら、倉庫に入れるわけにはいかない。

……いや、待て。

別に連中の仲間であっても、倉庫に入れてしまっても問題ないのではないか。

だって、あの子達は私たちの肌を食いちぎることが出来ない。

食べることができないのだ。

更に言うと腕力も決して強くない。

一人や二人くらいなら、十分抑え込むことができる。

そう、十人程度集まらないと脅威になりえないのだ。

だった……。



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