80:名無しNIPPER[saga]
2018/05/09(水) 00:10:18.60 ID:N1ymMDaN0
「それでも母親だけが悪いってわけじゃないだろ。
彼女と関係を持って子供まで作ったのに無責任だった男たちも同罪だ。」
そんな青木の意見に異論を唱えるように冠城がそう呟いた。
母親が悪いといえばそれまでだ。それでも子供たちには血縁上の父親がいた。
確かに交際中に子供がいたことを隠していたけい子に非はあった。
それでも関係を持ちながら逃げていった男たちに何の責任もないとは言わせない。
彼らがそれぞれ責任を果たせていればこうはならなかったはずだ。
だが青木と冠城がどれだけ言い合ってもそれは第三者の視点でしかない。
そもそも当事者でもない彼らに口を挟む権利はないだろう。
「まあ僕たちだけで責任の定義を決めるのは筋違いでしょう。
ですが福島兄弟、それに今回の高田兄弟。
この二件において共通すべきは子供が周りの大人に助けを訴えられなかったことです。」
自分ではどうにもならない時、人は周囲に助けを求める。
だがあの子たちはそれが出来なかった。
生まれて間もなく母親の都合によって存在を隠されてしまった。
それが原因で彼らは誰も知られない存在と化した。
つまり存在を知り得る母親がいなくなれば子供は飢えて死ぬ。
残酷でいてそれで悲惨な末路…
その末路は特命係の介入によって阻止された。
だがその介入がなければあの子たちの命は危うかった。
最悪は兄弟みんな死ぬという末路を辿っていたかもしれない。
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