右京「誰も知らない?」
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79:名無しNIPPER[saga]
2018/05/09(水) 00:09:01.99 ID:N1ymMDaN0


「それで…母親はどうなったんですか…?」


「彼女は長年のネグレクト行為が発覚して
懲役刑が下されて刑務所に服役することになりました。
だから僕の提案したように刑務所で子供を産んだそうです。
ですが難産だったようでその影響で二度と子供を産めない身体になったと聞いています。」


母親のその後を聞かされて冠城はそれがまるで母親に与えられた真の罰だと感じた。

福島けい子は子供を産むことで男を縛り付けようとした。

だがそれは自らの不実で台無しとなった。自業自得だ。

しかしその行いに子供が道連れとされた。

それを思えばようやく負の連鎖が終わったと不謹慎ながら安心してしまった。


「まあ子供たちにしてみればザマァ見ろって感じですよね。」


「オイ、不謹慎だぞ。それに子供たちがそんなこと思うわけ無いだろ。」


「いいえ、断言できますね。特に長男の明くんなんて心底母親を憎んでいるはずですよ。」


「まったく…なんだってそんなことを断言できるんだ…?」


「簡単ですよ。明くんは学校に通っていなかったんですよ。
それを家から出たおかげで学校に通えるようになった。
けどまともに通えられたと思いますか?」


そういえばと冠城は今の話を思い出した。

確か長男の明は今まで小学校に通っていなかった。

当然だがこの国には小学校〜中学校までの義務教育がある。

つまり明の場合は

これまで小学校に通っていなかったのだからもう一度初めからやり直さなくてはならない。

要するに他の子たちが中学校に進学する時に

明は小学校に入り直して6年遅れのスタートを切らなければならないということだ。

それは思春期を迎える子供にしてみれば拷問にも等しい光景だろう。


「下の子たちは義務教育前に保護されたから幸いだったけど
明くんと京子ちゃんはみんなから遅れての学校生活をスタートさせるんですよ。
当然周りからは偏見の目で見られる。
まあ学校側がそこら辺の配慮をしてくれたら
話は別ですけどお役所仕事にそこまで期待は出来ませんね。
だから今は母親のことを憎んでいるのは間違いありませんよ。」


青木は皮肉交じりと言ってみせた。恐らくそれは事実なのかもしれない。

これが母親の犯した過ちが子供たちにもたらしたものだ。

結局割を食うのは子供たちでしかない。この事件は母親にこそ非があるのは確かだ。


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