右京「誰も知らない?」
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76:名無しNIPPER[saga]
2018/05/09(水) 00:03:28.49 ID:N1ymMDaN0


「何で…どうして…こんなところを見せたの…これじゃあ子供たちが…」


子供たちが部屋から退室した後、けい子は右京たちを責めた。

何故こんなろくでもない光景を子供たちに見せたのかと…

これでは幼い子供たちの心を傷つけるだけだとそう訴えた。


「ええ、あの子たちにはすまないことをしました。ですがこれは必要なことでした。」


「どうしてよ!これのどこが必要だというの!?」


「それはあの子たちがあなたを庇っていたからですよ。
子供を平然と置き去りにして自分は他の男と付き合い幸せを得ようとする。
そんな行いを子供たちは仕方ないと言って肯定した。
それは子供たちにはあなたという存在が絶対だったからでしょう。
言ってみればこれはある種の洗脳ですね。」


これまで閉じ込められて生きてきた子供たちにしてみれば母親の存在は絶対だった。

けい子の言葉を信じて子供たちはどんな不遇にも耐えてみせた。

だがこれからはそうはいかない。今後は母親と引き離されて生活することになる。

だからこそ子供たちに母親との繋がりを断つ必要があった。


「だからこんなことを…そんなのって…」


「確かに残酷なことです。ですがすべてはあの子たちのためでした。」


そういえば右京は先ほどの取調室でも同じことを言った。

何故子供たちを傷つけるような真似が子供たちのためになる?

その意味をけい子は理解出来なかった。


「すべてはこの負の連鎖を断ち切るためです。」


「負の連鎖…?」


「幼い頃からあなたが自分の言葉に従うよう言い聞かせていたからでしょう。
いずれあの子たちは大人になる。そして将来愛しい人と結ばれ子供が出来る。
その時になってあなたと同じ過ちを犯したらどうしますか。」


「生活に行き詰まり子供を見捨てる。
そんな負の連鎖をこれからも繰り返していくなど愚かでしかない。
だからこの負の連鎖を今ここで断ち切らなければならなかった。」


それが子供たちにこの残酷な光景を目の当たりにさせた右京の意図だった。

子供たちが母親と同じ過ちを及ぼさないように…

それを聞いてけい子は思った。すべては自業自得だ。

自らの行いが招いた結果がこれだと…



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