6:名無しNIPPER[saga]
2018/05/05(土) 10:59:30.86 ID:sPA3Iy4L0
「それでどういった被害を受けているのでしょうか?こちらは小売店です。
警察に通報したのだから盗難だとすれば被害額は相当ではありませんか?」
「いや、金銭面に置ける被害は特にありません。廃棄弁当が盗まれるだけです。」
「廃棄弁当って…賞味期限切れたヤツですよね…?そんなモノをどうして?」
通常、コンビニに降ろされる食品は賞味期限が過ぎれば廃棄処分となる。
その理由は賞味期限の切れた食品に商品的価値が無いからだ。
それなのにこのコンビニではゴミ箱に廃棄した弁当が度々盗まれる事件が多発していた。
いくら商品価値もなく売上にも影響がないとはいえこう度々盗まれては店の保安に関わる。
こうした理由からさすがにこれ以上座視することも出来ず警察に被害届けを出した。
「ひょっとしてホームレスの仕業ですかね…?」
この相談を聞いて亀山が思いついたのはこれがホームレスの犯行ではないかと疑った。
理由は簡単だ。もし犯人がお金を所持していれば普通に弁当を購入するはず。
つまりこの犯行はお金を持ち合わせていない人間によるもの。
この場合ならホームレスの犯行と思うのは当然のことだ。
「なるほど、最もな意見ですね。
廃棄物ならお金が発生するわけでもないので双方に被害が出ることもない。
ですがこれは立派な窃盗事件。
それにお店側が被害届けを出されたとなれば当然捕まえなければなりません。」
「まったく世知辛い世の中っすね。」
恐らく生活に行き詰まっての犯行なのだろう。
こうなるといくら特命係としても犯人を不憫だと思わなくもない。
だがこれも警察官としての仕事。生活に困窮しての犯行とはいえこれは立派な窃盗だ。
犯人を思うならキッチリと罪を正す。
それが自分たちの役目だと思いながらさっそく捜査を開始した。
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