55:名無しNIPPER[saga]
2018/05/06(日) 17:35:27.55 ID:xg10qRH10
「この男はお母さんの新しい恋人。
つまりキミたちにしてみれば新しいお父さんになるかもしれない人ですよ。」
そのことを聞かされてこの場にいる子供たちは全員恐怖した。
こんな粗暴な男が新しい父親…?
もしもこの男が父親になれば当然だが子供たちは暴力を振るわれるだろう。
そんなことは一目瞭然。そして子供たちが怯える中で右京は取調室へと入った。
「警部殿…今は邪魔しないでほしいんだが…」
「申し訳ありません。ですが一分だけ時間をください。
失礼ですがあなたと付き合っている福島けい子さんについて伺いたいことがあります。
彼女には五人のお子さんがいます。
あなたはそのことをご存知で彼女と付き合っていたのですか?」
「けい子に…子供?それに五人も…!?」
右京から恋人のけい子に子供がいることを聞かされると男は思わず驚愕した。
この反応を見るとどうやら男はけい子が子持ちであることを知らないようだ。
「つまりあなたは五児の父親ということになりますね。
一応お聞きしますがあなたは福島けい子さんと結婚する予定はありますか?」
「ふざけるな!何であいつが余所の男と作った子供を俺が育てなきゃならねえんだ!
それにけい子もだ。どうしてあいつは子供のことを黙ってた!
チクショウ…よくも俺をコケにしやがって…許さねえぞ!!」
男は自分がコケにされたと思いけい子への怒りを顕にしていた。
これだけ反応を見れば十分だと思ったのか
右京はすぐに退室して子供たちのいる隣室へと戻った。
「キミたちはあの男が新しい父親になることを受け入れることができますか?」
右京から問われて子供たちは何も言えなかった。
いくら母親が好きになった男とはいえあんな粗暴な男が父親なんて無理だ。
今の様子を覗いただけでわかる。
あんな怒鳴り散らしさらにはモノに八つ当たりする男だ。
自分たちの存在を知られたらどんな目に遭うのかわかったものじゃない。
誰も口にはしないがあんな男を父親として受け入れることはできない。
それが子供たちの意思だった。
そのことを察しながら右京は子供たちを連れて再度母親のいる取調室へと戻った。
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