4:名無しNIPPER[saga]
2018/05/05(土) 10:56:37.95 ID:sPA3Iy4L0
「右京さん、ひとつ気になることがあるんですけど…
ひょっとして以前にも無戸籍児の事件に関わったことがあるんじゃないですか?」
冠城は先日の事件で少しだけ引っ掛かっていたことがあった。
それは右京が当初から兄弟が無戸籍児ではないかと疑惑を抱いていたことだ。
だがどうしてそんな疑惑を抱くことが出来たのか?
ひょっとして以前にも似たような事件に遭遇したからではないかというのが冠城の見解だ。
「ええ、ありました。もう十年以上前の話になりますがね。」
やはりなと自分の指摘が正しいと満足気になる冠城だが…
その反面、右京の表情は険しいものへと変わっていた。
恐らくろくな事件ではなかったのだろう。
考えてみれば無戸籍児が関わる事件などハッピーエンドで終わるはずもない。
さすがに無神経だったなと冠城も思わず反省した。
「すいません。今の発言は軽率でした。」
「いえ、構いませんよ。
それにいい機会です。キミたちも知っておくべきだと思いますからねぇ。」
それから右京は冠城とついでに青木に対してかつて起きたある事件について語りだした。
それは決して先日のようなハッピーエンドでは終わらなかった。
家族だからこそ避けられなかったある悲劇の物語だ。
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