26: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2018/05/07(月) 19:54:34.92 ID:eRaIODkj0
「聖さん、こちらが新人の白菊ほたるです。白菊、この人は青木聖さん。うちの専属トレーナーでかなりのベテランだ」
とプロデューサーさんが言った。
私は『専属トレーナー』という言葉にまたもや感動を覚えつつ、「よろしくお願いします」と言って頭を下げた。
「ああ、君が白菊か。話は聞いている、いい覚悟だ」
私は首をかしげた。覚悟?
「あの、話というのは、どのような?」
「君のプロデューサーから、なんの遠慮も手加減もなくシゴいてやってほしいと言われている。私の本気のレッスンといったら、第一線で活躍しているアイドルでも泣いて逃げ出すと有名だからな。新人の身でありながら、立派な気概だ」
私はぽかんとなった。
「プロデューサーさんが、そんなことを?」
「……君が言い出したことじゃないのか?」
トレーナーさんがプロデューサーさんをにらみつけ、プロデューサーさんはポリポリと頭を掻きながら顔をそらす。
なんだか悪戯のばれた子供みたいに見えて、ちょっと笑ってしまいそうになった。
「あ、私はだいじょうぶです。それでお願いします」
怖いと思う気持ちはあったけど、それ以上に、『第一線で活躍しているアイドルでも泣いて逃げ出すレッスン』というものに興味があった。
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