185: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2018/07/16(月) 00:03:48.16 ID:we/MuDDP0
ちひろさんから封筒の束を受け取る。手が震えていた。私は今日、死ぬんじゃないかと思った。
「検閲は私のほうで済ませておきました」ちひろさんが言う。
「ありがとうございます」とプロデューサーさん。
「けんえつ?」
私は首をかしげた。
「ああ……こういうお手紙とかは、ときどき心無いものや脅迫状みたいなものもあったりするので、本人に渡す前に事務かプロデューサーさんのほうで目を通すんです。そういう規則になっているので、ごめんなさいね」
「……そういうのも、来てたんですか?」
ちひろさんが困ったように頬を掻く。
「架空請求がいくつか混ざってましたね」
プロデューサーさんが笑った。
「珍しいですね、なかなか」
「あと、そちらにもひとつ来てましたよ、はい」
ちひろさんが封筒を差し出し、プロデューサーさんが怪訝そうな顔で受け取る。
「架空請求が?」
「さあ? アイドル宛てじゃないので、中身は確認してません」
「……ありがとうございました」
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