白菊ほたる『災いの子』
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174: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2018/07/15(日) 23:49:25.21 ID:1DFdeF0E0
 喉が発した最後の一音が宙に吸い込まれ、静寂に包まれた。
 それから、どこからともなくぱちぱちと拍手の音が鳴り始め、伝播していくようにホールを満たした。

 立ち上がり、「ありがとうございました」と叫ぶ。声は拍手に飲まれて、自分の耳にすら届かなかった。

 お礼の言葉を何度も繰り返しながら、方向だけ見当をつけておそるおそる舞台袖に向かう。順応し始めた目に人影が映る。プロデューサーさんだとすぐに気付き、差し伸べられた手を取った。
 拍手はいつまでも鳴りやまない。私は最後に振り返って、客席に向かってもういちどお礼を叫び、深々と頭を下げた。


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