105: ◆ikbHUwR.fw[saga]
2018/06/02(土) 10:47:31.47 ID:Y+SAhLWq0
私は寮に戻り、食堂で早めの夕食をとってから事務所に向かった。
「第2レッスン室を使います」と私が言うと、プロデューサーさんは、どこかとがめるような眼差しを向けてきた。
「相手は誰だ」
プロデューサーさんが言う。不機嫌、というより、少し怒っているようだった。
相手? と私は首をひねり、昨日の帰り際のことを思い出した。
「夕美さんです」
プロデューサーさんはがっくりと膝をつき、魂を吐き出すみたいに長い息をついた。
「どうしました? 体調でも……」
うなだれたプロデューサーさんの顔をのぞきこむ。
「いい、だいじょうぶ。レッスンしといで」
プロデューサーさんはそう言って、追い払うように手を振った。
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