9:名無しNIPPER[saga]
2018/05/04(金) 22:45:25.44 ID:AZDT1Nlu0
夜中に窓から抜け出すなど不審以外の何物でもない。
当然ながら誰何は受けた筈だ。
首を傾げて水を向ければ、肇は薄く笑みを浮かべた。
10:名無しNIPPER[saga]
2018/05/04(金) 23:12:51.69 ID:AZDT1Nlu0
このままでは飲まれそうな予感しかしなかった。
話の矛先を変えるため、彼女の帽子を指差す。
「そうだ。帽子は外しておいた方がいい」
11:名無しNIPPER[saga]
2018/05/04(金) 23:54:34.54 ID:AZDT1Nlu0
対向車のハイビームが一瞬だけ車内を照らした。
濡羽色の髪の中に、一輪の藤が咲いていた。
「あなたに頂いた、大切なものですから」
12:名無しNIPPER[saga]
2018/05/05(土) 00:41:53.62 ID:6HNBSVHX0
― = ― ≡ ― = ―
「何処でしょうか、ここは」
13:名無しNIPPER[saga]
2018/05/05(土) 15:23:10.52 ID:6HNBSVHX0
「それで」
温かい緑茶を一口だけ傾け、肇が細く息をついた。
14:名無しNIPPER[saga]
2018/05/05(土) 15:56:09.60 ID:6HNBSVHX0
「……ふっ、ふふっ……! 私が、18歳になったから……ですか?」
頷いた。
15:名無しNIPPER[saga]
2018/05/05(土) 17:43:44.69 ID:6HNBSVHX0
「綺麗、ですね」
「ああ」
16:名無しNIPPER[saga]
2018/05/05(土) 17:55:13.91 ID:6HNBSVHX0
言い返すだけの言葉はとっくに尽きていた。
ただただ黙っているくらいしか出来やしない。
「……」
17:名無しNIPPER[saga]
2018/05/05(土) 18:00:52.03 ID:6HNBSVHX0
― = ― ≡ ― = ―
「……」
18:名無しNIPPER[saga]
2018/05/05(土) 18:17:05.23 ID:6HNBSVHX0
「あくまで推測の話にはなってしまいますが」
「ああ」
19:名無しNIPPER[saga]
2018/05/05(土) 18:29:24.70 ID:6HNBSVHX0
「ですが……中でも昔。奈良、万葉集の頃、『花』は『梅』を指していたそうです」
「梅?」
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