垣根帝督「協力しろ」鹿目まどか「ええ…」
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95:名無しNIPPER
2018/11/25(日) 16:26:56.81 ID:ULLyrJIa0

「魔女退治に同行させてもらった時から、ずっと考えていたんです。何でマミさんはあんなに誰かの為に頑張れるんだろうって。キュゥべえから聞いたんですけど、マミさん、グリーフシードを落とさない使い魔とも進んで戦っているんですよね? こうしないと他の誰かが苦しむからって」

小さな子供を説得するように、ゆっくりとまどかは語る。

「わたし、昔から自慢できるような特技とか、得意な科目とかも無くて……きっとこのまま誰の役にも立てずただぼんやりと生きてきていくんだろうなって思ってました」

「……、」

「でもマミさんと出逢って、あんな風に裏側から街の平和を守っている人がいるって知って……、そして自分にもその可能性があるって分かってやっと見つけたって思えたんです。自分のやりたい事」

拙い言葉で、しかしはっきりと彼女は言う。

「わたしはマミさんみたいな立派な魔法少女になりたい。何の取り柄もないわたしだけど、マミさんみたいに誰かを守れる存在になれたら、それでわたしの願いは叶っちゃうんです」

それは甘い誘惑だった。

今まで一人で魔女との戦いに身を投じて来た彼女にとっては、あまりにも優しすぎる言葉。

魔法少女は孤独だ。

どれだけ魔女を倒そうが、どんな窮地を救おうが誰にも感謝されない。

巴マミは別に見返りを求めている訳ではない。

だがそれでも思うところはあった。

命懸けで戦って、魔女に操られていた誰かを救ったとしても当の本人は自分が窮地に陥っていた事すら気づいていない。

ならば、それが自分である必要があったのかと。

いくら魔女の脅威を取り払っても、交通事故や病気で亡くなる人もいれば自[ピーーー]る人もいる。

わざわざリスクを犯してグリーフシードを回収できない使い魔まで倒す事が本当に魔法少女として正しい行動なのかと。

何度も自問自答して、それでも自分が皆の『当たり前』を支えているんだと無理やり言い聞かせて何とかやってきた。

どれだけ体がボロボロになっても、愚痴をこぼす相手さえいなくても。



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