91:名無しNIPPER
2018/11/25(日) 16:23:12.56 ID:ULLyrJIa0
「買いかぶり過ぎよ鹿目さん。私だってあなたや美樹さんと変わらない普通の中学生よ。ただ無理して強がって見せているだけ。全然大した事なんてないの」
「そんな……。で、でもわたしにとってはマミさんはカッコいい先輩ですよ! 使い魔に襲われた時も助けてくれたし。魔女退治に連れていってくれた時も鮮やかに魔女を倒してたし」
まどかが言うと、マミはニッコリと微笑んでありがとうと返した。
でも、と彼女は続ける。
「本当に私は強い人間なんかじゃないのよ。正直な事を言うと、今でも恐くてどうしようもない時もあれば思わず逃げ出したくなる時もある。……誰かに頼る事もできないし、辛い事ばかりよ」
でもね、とマミは言う。
「誰かがやらなくちゃ、犠牲になるのは何の罪もない人たち。だから私がやるしかないの。前に廃墟で見たでしょ? 魔女を放置してると、ああいう風に被害がどんどん広がっていっちゃう。私、魔女と戦うのは怖いけど、この街の人がそのせいで酷い目に遭うのはもっと嫌だから」
だから無理やり奮い立たせるしかないのよ、と彼女は言った。
何だか弱音の吐き合いみたいになっているが、彼女の口調に違和感はない。間違いなく本音なのだろう。
あくまで自主的にではなく、仕方なく。
好きでやっている訳じゃない。
だが、それを聞いたところでまどかは巴マミを軽蔑したりしない。
恐怖を恐怖と感じるのは人間として当たり前の機能だ。
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