垣根帝督「協力しろ」鹿目まどか「ええ…」
1- 20
86:名無しNIPPER[saga]
2018/11/15(木) 22:16:23.51 ID:fN5d1hik0

「ど、どうしようさやかちゃんーーッ!」

さやかの額に汗が流れる。

自分が切れるカードと、そのリスクを天秤にかけて状況を整理する。

限られた短い時間の中、いくつもの思いが交錯した。

そして決断する。

「……まどか。マミさんを呼びに行って」

静かに、けれど力を込めた声でさやかは言った。

「あたしはここに残る」

「そんな!? 危ないよさやかちゃんッ!」

「分かってる! けど、そうしなきゃ何かあった時に誰も対処できないじゃん! もしもの時の『保険』が無いと、ここにいる人たちが犠牲になるのを防げない」

「さやか、ちゃん……」

「ここには恭介だっている。見捨てる事なんて出来ないよ!」

さやかの言っている意味とその決意は、当然まどかにも理解できている。

それでも逡巡する彼女にさやかはもう一度、行って、と小さく告げた。

「急ぐんだ、まどか」

それを後押しするように、キュゥべえが言う。

「大丈夫。さやかには僕がついている。どのみち、僕がいないとマミが結界を見つける事もできないし。さやかの言う『保険』も使えないしね」

「……、分かった」

まどかは少しの間キュゥべえとさやかの方を見て戸惑っていたが、意を決したように踵を返すと一目散に駆けて行く。

「すぐにマミさんを連れて戻ってくるから! 絶対無茶はしないでね!!」

小さくなっていく親友の背中を見送り、さやかは少しだけ表情を緩ませた。

「良かったのかい?」

傍らのキュゥべえが囁く。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
140Res/191.07 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice