71:名無しNIPPER
2018/11/01(木) 23:25:45.21 ID:xIL+pzmJ0
☆
翌日。
朝からどこかへ出掛けていた垣根帝督は、昼下がりになってようやくホテルに戻ってきた。
「おかえりなさいっス」
「どうだ、何か分かったか?」
「……残念ながら有力な情報はないっスね」
誉望は作業に使っていたタブレットからいくつかのファイルを素早く開き、垣根に差し出す。
「あの後輩についてですけど、小さい方が『鹿目まどか』。ショートヘアが『美樹さやか』。二人とも特筆することもない普通の中学生です。調べましたが特に怪しいところは見つかりませんでした」
「んだよ使えねーな」
「すんません。その周りの交遊関係とかもあたったんスけど、本当に何の変哲もない一般人としか……」
はあぁ、とわざとらしい溜め息をついて垣根はドカッとソファーに座る。
ビクッと誉望が肩を震わせるが、彼は気にする素振りもなくソファーの背もたれに腕を乗せふんぞり返ってタブレットの画面を見つめる。
「え、ええとそういや垣根さんはどこに行ってたんスか? この街に観光するような所はないと思うんスけど」
「ああ、最近事件が起きた場所を回ってたんだよ。何か痕跡が残されていないかと思ってな」
垣根はタブレットで地図のアプリを開くと何ヵ所か印をつけて誉望へ突き返す。
印は繁華街や大型レジャー施設の周りなど、概ね人が多く集まる場所に付けられている。
「本当に魔法少女なんてもんが存在するならその『魔法』を使った形跡を未元物質でなぞって情報を読み取れるかと思ったんだが」
言うなれば、刑事が現場に残された血痕や遺留品などから容疑者の動きを推測するようなもの。
垣根曰く、レコードやCDを再生するように『魔法』を使用した際に付けられた細かい傷などを未元物質で読み取って情報を取得する事で、その場で何が起きたのか把握できるらしい。
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