37:名無しNIPPER
2018/05/20(日) 01:01:10.48 ID:g+gQ75yp0
「もし見当違いだったらどうするの?」
「そん時は適当な理由でっち上げて引き上げるさ。ボランティアに付き合ってる暇はねえしな」
「はあ……、初めから仕事をこなす気はないのね」
気だるそうに息を吐く心理定規。
その横で弓箭猟虎は何故かソワソワしていた。
「あの……、あの……!」
「ん? どうした弓箭?」
不思議な顔で誉望が声をかける。
当の本人は、まるで新作のゲームを待ちわびる子供のような表情で、
「これって……、初の"外"での任務。当然泊まり掛けになるんですよね?」
「んー、そりゃそうだろ。さすがに見滝原まで日帰りはキツいと思うぞ」
いつ終わるかも未定だしな、と誉望は言う。
「てことはてことは……! これって……! 皆で……! お泊まりって事ですよね!? わ、私今まで友達と泊まり旅行とかしたことないんです……! わー、色々準備しないと! ト、トランプとか持って行っていいですか!?」
「いや、旅行じゃないし。てか泊まり初めてって? 修学旅行とか無かったのか?」
「休みました。ボッチが行っても楽しくないので」
「何て悲しい理由……」
しみじみとツッコミを入れる誉望。
そんな2人のやり取りを見ていた垣根は面倒臭そうな顔をしていた。
彼は言う。
「盛り上がってるところ悪いが行くのは俺と誉望だけだぞ」
「へ!?」
誉望と猟虎、2人から間抜けな声が出た。
心理定規は、特に反応もなくじっと垣根の方を見ている。
「オマエらよく考えろ。全員で"外"に出て、もし仕事が長引いたら誰が『ピンセット』回収するんだ?」
「あら、それはもう諦めたんじゃなかったの?」
「諦めてはいないさ。ただ魅力的な仕事が同時に舞い込んだからそっちにも戦力割くってだけだ」
ええー! と弓箭猟虎が悲痛な声を出す。
「せっかく……! せっかく夢が叶ったと思ったのに」
ううぅ、と露骨にテンションを下げる猟虎。
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