垣根帝督「協力しろ」鹿目まどか「ええ…」
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38:名無しNIPPER
2018/05/20(日) 01:01:59.07 ID:g+gQ75yp0



そんな彼女を気にも留めず、垣根は淡々と役割分担を言い渡す。

「俺と誉望は見滝原で研究施設中心に調査をする。その間、オマエら2人はトラブルが起きた時に対処できるよう学園都市で待機しとけ」

彼は続けて、

「もし実験予定日までに俺たちが戻れそうも無い時は下部組織の連中と協力して『ピンセット』を奪え。いいか?」

ふぁい……、と猟虎から気の抜けた返事が聞こえた。

他の2人も異存はないようなので、決まりだな。と彼は言って電子メールを返送する。

そうしながら垣根は薄く笑みを浮かべていた。

彼はこれからの予定に希望を馳せる。

学園都市製ではない未知の能力。

ネット上では都市伝説と同列に扱われるようなこの話題も、彼はそれなりに信用を寄せていた。

彼らは学園都市のカリキュラムを受けて発現した能力を扱うが、その中にもあるのだ。

どれだけ能力を解析しても、説明のつかない空白の部分が。

そのわずかな不明点をノイズとして切り捨ててしまう学者もいるが、垣根はそこにこそ能力運用の真髄があるのではないかと考えている。

彼の扱う超能力『未元物質(ダークマター)』。

垣根自身、この能力を隅から隅まで把握しているとは言い難かった。

能力の運用方法は分かるが、それを構成している理論の輪は完全に閉じておらず、一部異物のようなものが混じっている。

それを解き明かした時こそ、新たな制御領域の拡大(クリアランス)を取得し、完全に能力を支配下に置けると彼は信じていた。

「しっかし今回は、本当に棚からぼた餅になるかもなあ」

「……?」

何でもねえよ、と垣根はぶっきらぼうに言う。

あくまで可能性。

だが、もし今回の見滝原の遠征で未知の法則を発見できれば。

それを、上手く取り入れられれば。

"外"から能力を見直す事で、『未元物質』に新しいインスピレーションを付加する事ができれば。

彼はポツリと呟いた。

「……正直まだ中盤戦くらいだと思ってたが、ひょっとしたら一気に詰みまで行くかもなあ。アレイスター?」





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