35:名無しNIPPER
2018/05/20(日) 00:57:49.91 ID:g+gQ75yp0
☆
「おう、いいんじゃねえの?」
「はぇ?」
予想外の好反応に、誉望万化はキョトンとした顔をする。
そこにいたのは背の高いガラの悪そうな少年だった。
少年の名は『垣根帝督』。
彼ら『スクール』をまとめるリーダーである。
驚いたような表情の誉望に彼は言う。
「何か問題でもあるのか? 統括理事会経由で回ってきた正式な"仕事"なんだろ? 直轄の組織である俺たちがそれを受けるのがそんなに不思議か?」
垣根の言葉に、誉望はやや困惑しながらも首を横に振る。
「にしても前の騒動に続き今度は"外"ときたか。アレイスターのクソ野郎はどこまで把握してんのか。案外、ビルの中では顔面蒼白にして焦りまくってたりな」
詳細が記された電子メールを眺めながら、彼は気軽な調子で言う。
ビルというのは学園都市統括理事長アレイスター=クロウリーが鎮座する漆黒のビルの事だ。
入り口どころか窓すらなく、外から中の様子を伺い知ることはできない。
「本気?」
頬杖をつきながらドレスの少女は訝しげに目を細める。
「『ピンセット』の方は諦めるの? その為に色々準備してきたんでしょ?」
「別に諦めた訳じゃないさ。ただこっちの依頼に底知れぬ可能性を感じただけだ」
「?」
何を言いたいのか分からないといった様子の少女。
彼女は『心理定規(メジャーハート)』という精神干渉系の能力者だが、あくまで他者と自分との"心の距離"を操作するものなので、相手の心の内は読めない。
他の2人も同様の反応で、それを見た垣根は面倒臭そうに溜め息をついた。
「察しが悪いなオマエら。いいかよく考えろ。俺たちは今まで何に向けて準備してきたんだ? 一体誰を相手にしようとしてる?」
「何って、そりゃあ……」
3人は顔を見合わせる。
だが誰も答えを言おうとはしない。
いまいち垣根の意図が掴めていないようだ。
「まだ分かんねえのかよ……」
彼は半ばあきれたように、
「俺たちはアレイスターを出し抜こうとしてんだぞ。『ピンセット』云々もあくまでその為の手段だ。それ自体が目的じゃねえ。履き違えんなよ」
学園都市に対するクーデター。
そんな大層な計画を彼は本気で実行しようとしていた。
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