20:名無しNIPPER
2018/05/07(月) 01:53:48.47 ID:OZ3gjuNK0
薄暗い従業員通路の先、荷物が大量に積まれたバックヤード。
そこでさやかが見たものは、血まみれの白い猫のような生き物を抱えたまどかと、黒を基調とした中世ヨーロッパ風の衣装に身を包んだ転校生暁美ほむらだった。
彼女の手には、黒光りする拳銃が握られている。
(な、何!? どうなってるのこれ!)
訳も分からず狼狽していると、まどかが正面をキッ、と睨んで叫んだ。
「どうしてこんな事するの! ひどいよ!」
対してほむらは一切顔色を変えない。
彼女は静かに言う。
「いいからそいつを渡しなさい。そいつは私たちの敵なの」
「何言ってるの!? この子ずっと私に助けを求めてたんだよ? 酷いことしないで!」
白い生き物を庇うようにギュッ、と抱き締めたまどかに対し、ほむらは無言で応じた。
彼女は持っていた拳銃をゆっくりと構える。
まどかの腕の中にいるそれを狙って、
「クソッ!」
さやかは反射的に飛び出した。
彼女は側に置いてあった消火器を掴むと、ほむらに向かって声を上げる。
「こっちだ転校生!」
ほむらの目線がこちらを向いた。
さやかはホースを構えると、躊躇なくレバーを引く。
一瞬にして視界が真っ白に遮られた。
彼女は構わず、巨大な段ボールがいくつも乗せられた台車を横倒しにした。
ガッシャアアアアン!!! という轟音が響く。
ぶちまけられた大量の段ボールやその中身が、ほむらとの間を遮る一時的な壁となる。
「まどか、行くよ!」
「さやかちゃん!?」
驚愕の表情をしている親友の手を無理矢理引っ張り、さやかは出口へと走り出す。
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