垣根帝督「協力しろ」鹿目まどか「ええ…」
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19:名無しNIPPER
2018/05/07(月) 00:05:28.86 ID:OZ3gjuNK0



(さて、と)

大事な幼なじみにあげるプレゼント。きっとさやかは吟味するだろうから時間がかかるに違いない。

まどかは適当に試曲でもして暇を潰そうと、とあるブースの一角へと向かった。

彼女が向かったのは演歌のブース。

周りは年輩の男性ばかりだが、彼女は気にせずヘッドホンを手に取ると、嬉しそうに曲を再生していく。

こんな所に女子中学生がいるという周りの不思議そうな視線にも気づかず、3曲目を再生した時だった。

「(助けて……)」

「ん?」

まどかはヘッドホンを外す。

それはかすかな声だった。

聞き間違いだろうか?

「……、」

まどかはもう一度ヘッドホンを耳にかけようとする、と、

「(助けて……! まどか!)」

「!」

今度は確実に聞こえた。

まどかは首を振って周りを見渡す。

特におかしな所はない。

だが、

「(助けて……!)」

声は断続して発せられていた。

まどかは慌ててさやかを呼びにいく。

「さやかちゃん! 誰かが私に助けを求めてる!」

「へ? は? な、何言ってんのよアンタ」

さやかは何の冗談かと思ったが、親友の鬼気迫る表情を見て思わず黙りこむ。

まどかは集中して耳を澄ませる。

音は一定の方角から来ていることがすぐに分かった。

「こっち! 来てさやかちゃん!」

「え? ちょ、まどか!?」

音源を探りながら早足で歩くまどか、やがて二人は従業員通路の扉の前に辿り着いた。

まどかは少し逡巡したがすぐにさやかに向き直ると真剣な表情で言った。

「この奥から聞こえる! 行こう! さやかちゃん!」

「え!? ここ一般人は立ち入り禁止でしょ」

「だ、だって助けを求める声はこの奥から聞こえるもん! 私の名前を呼んでる!!」

まどかはそう言うと、さやかの返事も待たずに扉を開けて先に行ってしまう。

さやかはどうするか迷ったが頭をかきむしると、

「あーもう! お店の人に怒られたらアンタが謝りなさいよ!」

意を決したように後を駆けていった。





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