垣根帝督「協力しろ」鹿目まどか「ええ…」
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115:名無しNIPPER
2019/05/29(水) 00:46:44.14 ID:fMCv71Lw0

「そうね。でもそれはあなたも同じだと思うけど」

「え!? いやいや俺なんかさっきから冷や汗が止まらないんだけど。君が平気そうだからつられてちょっと安心してる部分はあるけどさ」

「……そう。それはよかったわ」

少女は顔を前に向けたまま静かに答えた。

「それで、君はいつもこんな事してるの?」

「こんな事って?」

「いや、いつもこんな危険な目に遭ってるのかなって思ってさ」

彼が言うと、少女は立ち止まり眉をひそめた。

そんな反応をされても誉望の方こそ意味が分からない。

特におかしな事は言っていないはずだ。

「ごめんなさい、ちょっと何を言っているか分からないわ。私がいつ危ない目に遭ったのかしら?」

「? ついさっきまで太いリボンみたいなので縛られてただろ。俺が通らなかったらヤバかったんじゃないの?」

彼がそう言うと、少女はきょとんとした顔になった。

彼女は言う。

「ただ縛られてるだけで危険なんかないでしょ。助けてもらった事は感謝してるけど、敵もいなかったし特に差し迫った状況ではなかったはずよ」

彼女は淡々と話しているが、内容はツッコミ所満載だ。

助けてもらっておいて謎の上から目線とあまりの意志疎通の取れなさに、誉望は少しイライラしてきた。

「だったら何であんな必死に助けを求めてたんだよ? 縛られてるだけって言ったっていつ魔女が襲ってくるか分からないあの状況で危険じゃないはずがない。でも君はそんな窮地に見舞われたのにケロっとしているから普段からこういった事態には慣れてるのかと思ったんだけど」

「別に慣れてなんかいないわ。元々こういう性格なの」

「ああそうなんだ。その年で凄い落ち着きぶりだね」

面倒くさくなってきた誉望は適当に答えた。

そして一気に会話する気が失せた。

どうやらこの少女は誉望とは違う『人種』らしく会話のキャッチボールが成立しそうにない。

入学式など見ず知らずの者同士が多数集まっている状況で、何となく隣前後の人に話しかけたらやたらと無愛想だったり異常に挙動不審だったりして「あ、コイツとは友達になれないな」と一瞬で分かるあの感覚。

今がまさにそうだった。



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