109:名無しNIPPER[saga]
2018/11/26(月) 00:01:42.36 ID:6W53p2eU0
「………………………………え?」
巴マミは思わず間抜けな声を出す。
彼女の目の前に何か大きな顔があった。
初めて見る光景。
これは一体何だ?
よく見ると顔の奥は細長い身体が続いていて、その先は小さなぬいぐるみのような物に繋がっているようだ。
即ち、彼女が拘束し、殲滅したはずのお菓子の魔女に。
「あーー」
それを見て彼女はようやく理解した。
目の前にある物が何なのか。
そして、大きく口を開けた『それ』が今から何をしようとしているのか。
後ろに待機する少女たちが何かを叫んだようだが、もう彼女の耳には届かない。
もう遅い。
気づいた時には終わっていた。
永遠にも感じる時の中、大きな影が彼女を覆う。
鋭い牙や喉の奥が視界いっぱいに広がる。
巴マミは一連の流れをただ見ているだけしか出来なかった。
これで終わり。
そのはずだった。
突如駆け抜けた烈風が、彼女の身体を吹き飛ばさなければ。
視界が、歪む。
轟‼ という爆音が鳴り響いた。
手を伸ばせば届く位置にあった大きな顔が、高速で視界の端に流れていく。
そこまでして巴マミは初めて自分の身体が宙を飛んだ事に気付いた。
ジェットコースターに乗った時のような気持ち悪い空圧が、腹部を圧迫する。
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