94:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 19:15:22.17 ID:A6rjc17z0
「私なんて、いなきゃ良かった!!」
ほたるちゃんは、堰を切ってわぁっと泣き出しました。
「何を言うんだ、ほたるちゃん」
ただならぬ空気を察したプロデューサーさんが、慌てて彼女の肩に手を添え、しゃがみ込みました。
「ほら、アレだぞ? そんなネガティブな事を言ったら百円だぞ?
ワハハ、いつ君が言い出しても請求できるように、俺こうしてほら、ゲロちゃんを携帯して…」
「お金を払って美優さんの足が治るなら、私、いくらでも払います!!」
ほたるちゃんは、自分の鞄からサイフを取り出し、お札を引っ掴みました。
「いくらですか、いくら払えば美優さんは…!」
「お、おい、ほたるちゃん落ち着け。誰もそんな事言ってないだろ?」
「私さえいなきゃ、美優さんはフェスに出れたんです!
本当に、私、充実してて、た、楽しくて……!! やっぱり、私、幸せに、なっちゃ……なっちゃ、いけないんですっ……!」
握りしめたお札とサイフを床に落とし、両手を顔に当てて、彼女は声を上げて泣き崩れました。
――それは違います。違うんです。
私が、言い出せなかったから――もっと早く、辞退する事を皆に知らせてさえいれば、こんな事には――。
「ほたるちゃん」
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