186:名無しNIPPER[saga]
2018/04/30(月) 01:37:15.13 ID:LS54PsoZ0
「……返す言葉もありません」
私は、ほたるちゃんの両肩に手を乗せ、ゆっくりと体を引き離すと、屈んで顔を彼女の目線に合わせました。
涙に濡れた丸くて綺麗な瞳の上に、一層ハの字になってしまった彼女の困り眉が並んでいます。
「本当に、ごめんなさい……ほたるちゃん」
少しだけ視線を落とし――もう一度、今度はしっかりと彼女の顔を見ます。
「許してほしいとは、言いません。
だけど……もし一つだけ、言い訳をさせてもらえるなら……」
そう言って、私はポケットに入れていたそれを、そっと取り出しました。
少し包装は汚れてしまったけれど、これは――。
「これは……?」
「開けてみてください」
プロデューサーさんが買っていたものですが――おそらく中身は、私が用意したものと同じはずです。
「……テントウムシ?」
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