154:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 23:45:30.76 ID:A6rjc17z0
「ほたるちゃん……」
今日の――いいえ、会場に着いてからのほたるちゃんは、まるで別人のようです。
いつもはハの字になっている細い眉をキュッとさせて、口を固く結び、何よりもその目。
並々ならぬ集中力――いいえ、気迫を感じます。
そこまで、このステージに入れ込んでいたなんて――。
「美優さん」
真っ直ぐに私を見つめながら、ゆっくりと、興奮を抑えるように、ほたるちゃんは口を開きました。
「見ていてください。必ず……良いステージに、してみせます」
「……はい」
情けないことです。
私は、大一番に臨む彼女に、何も気の利いた言葉を掛けることができません。
ですが、それは分かっていたことです。だから――。
「お、雨が降りそうだな。テントで待機してよっか」
「分かりました」
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