127:名無しNIPPER[saga]
2018/04/29(日) 20:46:19.61 ID:A6rjc17z0
『いえ、美優さん……私の方こそ、勝手なことを言って、すみません』
ふぅ――と、気持ちを落ち着けるような、長い深いため息が電話口から聞こえました。
『プロデューサーさんも、やっぱり……悔しいと、仰っていました』
プロデューサーさんが――?
『アイドルとして輝けるはずだと、自分が信じてスカウトした人が、それに未練を覚えずにいる事が悔しい、って……
美優さんには、内緒にしてくれって、言われていたんですけどね』
ふふっ、と、忍ぶような笑いがかすかに聞こえて――。
『だから、アイドルの素晴らしさを、美優さんに教えてやってくれ、って……
私、こんな所で、倒れる訳にはいかなくて……私は、誰よりも何よりも、美優さん』
『あなたのために、ステージに立ちたいんです。
だから……そばにいないなんて、言わないで、くださいっ……』
「ほたるちゃん……」
『私を、見てください……そ、そばに、いてくださ、いっ……ひ、いぃ……!』
電話の向こうから、すすり泣く声がかすかに――次第にそれは、大きくなっていきました。
『う、ぐ、役に立つとか、ひ、ぐっ……立たないとか、じゃなくてぇ……!
みゆ、さんに、み……みて、ほしいから……いて、え、ぐっ、くれなきゃ……う、うぅぅ……!』
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