宮尾美也「ネコになった日」
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7:名無しNIPPER[saga]
2018/04/27(金) 03:13:59.55 ID:6FtTvWVno
貴音「プロデューサー、申し訳ございません。本日はこれで失礼させていただきます」

P「ん? ロコが帰ってくるのを待ってお茶に誘うんじゃなかったのか?」

貴音「そのつもりでしたが……少々、用事ができてしまいましたので」

P「そうか、お疲れさま。明後日の収録は俺も一緒に立ち会うから」

貴音「かしこまりました。それでは、失礼いたします」

そう言って貴音さんは事務所から出ていきました。
ごめんなさい貴音さん、よろしくお願いします。

美咲「はーい、猫ちゃん。お仕事が終わるまで、ここで待っててね」

それと入れ違いに美咲さんは大きめの段ボールを抱えて入ってきました。
あれは以前、ひなたちゃんが持ってきたリンゴが入っていた段ボールですね。
そう思っていると私は小鳥さんは私を抱え上げて段ボールの中に入れました。
段ボールにはタオルが何枚も敷いてあってふかふかでした。

美咲「それにしてもかわいい猫ちゃんですねー。みんなが美也ちゃん似てるって言ってましたけど」

小鳥「確かに。この目の上の毛が絶妙に美也ちゃん! って感じよね」

P「うーん、言われてみれば」

3人が段ボールの中の私をのぞき込んできます。
そんなに見つめられると恥ずかしいですよ〜。
そんなことを思っていたら、電話が鳴りました。
一番近くにいた音無さんが電話を取って応対を始めました。

小鳥「はい、765プロシアターです。はい、いつもお世話になっております。少々お待ちください……プロデューサーさん」

P「はい?」

小鳥「演出の○○さんからです。今度の定期公演のことで」

P「あー、そろそろ連絡入れようと思って忘れてたなぁ……」

そう言いながらプロデューサーさんは電話を取って会話を始めました。
それと同時にみんなお仕事モードに切り替わりました。
こうやって机に向かってお仕事をしている皆さんをじっと見るのは初めてです。

美咲「先輩、次のイベントの予算書です」

小鳥「はい。えーっと……あら、警備会社への支払金額、これであってる?」

美咲「え? この前のイベントと同じ人数にしたんですが……」

小鳥「美咲ちゃん。今回は会場のキャパが大きいから前回の人数じゃ足りないわよ」

美咲「えっ? あ、そっか!」

小鳥「えぇっと、去年同じ会場でやったイベントの見積もりがこれね」

美咲「……すみません、全然違いますね」

小鳥「もう一度金額だけ確認してみてね」

美咲「はい、わかりました」

いつもニコニコと優しい二人がすごく真剣な顔をしています。

P「はい、はい。いや、理解はしております。ですがちょっとその時間は……」

P「うーん……。わかりました、明日の15時に伺います」

P「はい、はい、すみません。よろしくお願いいたします」

プロデューサーさんも電話を片手にパソコンとにらめっこをしています。
みんなみんな、私たちのために頑張ってくれてるんですね〜。
お邪魔をしちゃ悪いからおとなしくしていましょう。
段ボールからはほのかにリンゴの匂いがします。
ちょっとだけ、眠くなってきました。
ふぁ……すこしだけ……お昼寝……。


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