小日向美穂「神様にはセンチメンタルなんて感情はない」
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25:名無しNIPPER[saga]
2018/04/24(火) 22:38:52.74 ID:WQSNhX7B0
「まあ、私も答えを知ってるわけじゃないんですけど」

と前置きしてから、

「たぶんあの建物は天使と人間をつなぐ架け橋なんだと思うんです」

「架け橋」

私はしばらくその言葉の意味を考えてみた。
ちゅー。
卯月ちゃんの手元のグラスにはもう氷しか残っていない。

「私たちも天使のことを理解できるようになるってこと?」

「うーん、理解っていうか気付くっていうか……うまく言えないですけど」

卯月ちゃんは言ったことを後悔するように悲しそうに笑った。
そんなことできっこないのにねって、あとから付け加えるみたいに。

「でもね、私思うんです。天使ってなんにも特別な存在じゃないって……どこにでもいる、普通の、みんなと変わらない人間なんだって」

「それは卯月ちゃんが天使だから言えるんだよ」

「ううん、そんなことない。美穂ちゃんだって、自分で気が付いてないだけなんです。私たちはみんな同じなんだって」

卯月ちゃんの言葉は私を苛立たせた。
そんなこと言っても、私には分からないよ。
もっと分かるように説明してよ。
私はただ卯月ちゃんに遠くに行ってほしくないって、そう願ってるだけなのに。

……いやな耳鳴りがした。
このお店は、私には少し静かすぎると思った。


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