40:名無しNIPPER
2018/04/24(火) 21:45:14.53 ID:25rQ95o00
そして、その日はやってきた。
「あの、茄子さん」
私が帰ってくるのが遅れて、ほたるちゃんが料理を作ってくれていた。
私が母から教わった料理だ。茄子にベーコンを挟んで焼いたもの。
お味噌汁にキュウリと白菜の浅漬け。アボカドのサラダ。
私との生活のなかで、ほたるちゃんはすっかり料理が上手になっていた。
料理を食べ終え、洗い物は私がやっていた時。
背後から、ほたるちゃんが声をかけてきた。
「私、来週には寮に戻ろうと思うんです」
私は答えなかった。なにも聞こえなかった風にすれば、なかったことにできるんじゃないか。
そんなことを考えたのかもしれない。そんな訳ないというのに。
「本当、今までお世話になりました。ご迷惑ばかりかけていたんですけど」
私は水を止めると、タオルで濡れた手をぬぐいながら振り返った。
「まだ、早いんじゃないでしょうか」
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