33:名無しNIPPER
2018/04/24(火) 21:35:52.96 ID:25rQ95o00
「えっ」
私は言葉を詰まらせた。
「あれ、もう別々に暮らしてるの?」
「そうじゃないですけど……特には決まってませんね」
「でも、ずっと一緒に住んでるわけにはいかないでしょ」
「そんなことは、ないと思うんですけどね」
静かに呟いた私に、友紀ちゃんと美世ちゃんは不思議そうな視線を送ってきた。
私は席を立った。
「ちょっと、飲み物買ってきますね」
ブースの外に出た。廊下を歩きながら胸の内の不安を意識する。
一体なにを私は動揺しているのか。最初から分かっていたことではないか。
ほたるちゃんが現場では私と離れ始めて、最終的には部屋を出ていくことなど。
でも。
「あれ、茄子?」
声に我に返る。振り返ると、そこにはプロデューサーが立っていた。この前ラジオ局で見た時とはちがって、しっかりとスーツを着ている。
「プロデューサー……今日はほたるちゃんについているんじゃ……?」
「ああ、だから今日の現場がここなんだよ」
藍子ちゃんの番組のゲストとして呼ばれているらしい。
昨日は私の仕事が終わるのが遅く、私が帰ってきた時にはもうほたるちゃんは眠っていて、朝も仕事についてはすっかり聞きそびれていた。
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