21:名無しNIPPER
2018/04/24(火) 21:19:09.29 ID:25rQ95o00
彼は子供のような無邪気な笑みを浮かべて、片手をあげた。
「よ、お二人さん」
「プ、プロデューサーさん……!」
ほたるちゃんは破顔させたけど、次には喜びは顔から消えて、私の後ろに隠れる様に移動した。
「その……いつ、戻ってきたんですか」
「昨日退院したばかりさ。ちひろさんには一週間は自宅療養って言われてるけど、顔を見るぐらいなら文句ないだろ?」
仕事ではなく、プライベートで来たということか。一瞬誰だかわからなかった訳だ。いつものようなスーツ姿ではなく、演者のようなラフなシャツを着ていた。
ほたるちゃんが、私の服をギュッとつかんだ。怯えているようだ。プロデューサーにではなくて、プロデューサーに対する罪悪感で。
私は、ほたるちゃんの腕に優しく手を添えた。
ほたるちゃんが私を見上げる。私は頷いてほたるちゃんを促した。
手が私から離れ、ほたるちゃんは一歩前に出た。
「プロデューサーさん……その」
ぽん、とごつごつとした手がほたるちゃんの頭に乗った。
「ただいま、ほたる」
「……お帰りなさい、プロデューサー」
顔を俯けながら、ほたるちゃんは照れくさそうに頬を染めていた。
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