5: ◆E055cIpaPs
2018/04/21(土) 22:52:02.10 ID:0nbIURfu0
ありすの気持ちはとても良くわかる。
なぜならば、画面の向こうで完全に門外漢の話を振られている文香はいつも辛そうで、そして苦しそうな表情をしているのだ。
利口なありすには、自分が文香の隣にいることが出来れば、どれほど彼女の助けになるのか分かってしまうのだろう。
正直なところ、僕は迷っていた。
ツイッターだとかブログだとか、そういったものはきっとありすのアイドルとしての寿命を縮めることに繋がってしまう。
それでもここで背中を押してあげなければ、彼女は一生の友人を一人失ってしまうのではないか。
そうならなくても、このままだと彼女はきっと、大きな後悔を背負うことになるだろう。
彼女をのらりくらりと躱しながら頭をひねっていると、一人のアイドルがドアを叩いて事務所に飛び込んできた。
「みてみてPちゃん! すっごくインスタ映えするネコミミを見つけて来たの! きっとファンの皆も大喜び間違いなしにゃ!」
そういって僕の元に駆け寄ってきたみくは、頭の上に載っているおもちゃのネコミミを外して僕の顔元に突き付けてきた。
そのLEDライトの光を飛ばしながらぴくぴくと自動で動いているネコミミに、僕の目は釘付けになっていた。
もしかしたらこれで、今の事態を突破できるかもしれない、と。
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