小日向美穂「あなぐま、階段を上る」
1- 20
37: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2018/04/20(金) 00:43:41.59 ID:Q3vY7Opm0

 そんなこと、今まで誰にも言ったことがありませんでした。

 身を投じる現実が、いかに広くて不透明か。
 壁を越えた先にある「それ」の重さが、今思い出したように一気に体にのしかかってきたんです。
以下略 AAS



38: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2018/04/20(金) 00:44:29.77 ID:Q3vY7Opm0

 だから――

 そう前置きし、お父さんは口の端をほんの少しだけ上げて。
 同時に屋上を強い風が吹き抜けます。
以下略 AAS



39: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2018/04/20(金) 00:45:17.93 ID:Q3vY7Opm0

 その後、電話がありました。
 お母さん婦人服なんて買ってなくて、代わりに地下の食品売り場でお高いお肉を買ってたんです。

 不思議そうな顔でこっちを見ている子供たちに、私は急に恥ずかしくなってきました。
以下略 AAS



40: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2018/04/20(金) 00:46:19.87 ID:Q3vY7Opm0

   〇


 出発は春の朝。始発の新幹線で私は東京に向かいます。
以下略 AAS



41: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2018/04/20(金) 00:47:16.93 ID:Q3vY7Opm0

   〇


 お見送りは少数でした。
以下略 AAS



42: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2018/04/20(金) 00:48:21.26 ID:Q3vY7Opm0



「美穂ーーーっ! がまだせ(頑張れ)ーーーーーーっ!!」

以下略 AAS



43: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2018/04/20(金) 00:49:18.27 ID:Q3vY7Opm0


 電車が加速します。

 みんな、いっぱいの笑顔で手を振ってくれていました。
以下略 AAS



44: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2018/04/20(金) 00:52:09.66 ID:Q3vY7Opm0

   〇


 短くはない話を、色紙を撫でながら語りきります。
以下略 AAS



45: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2018/04/20(金) 00:53:51.23 ID:Q3vY7Opm0

   〇


「わぁ、ほんとに高いっ!」
以下略 AAS



46: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2018/04/20(金) 00:54:28.21 ID:Q3vY7Opm0

 私はここにいるんだ、って。

 目に見ることができないなら、伝える手段は一つ。
 この街で頑張って、アイドルとして輝いて、どこにいたって小日向美穂の名前が届くようにならないと。
以下略 AAS



47: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2018/04/20(金) 00:55:06.27 ID:Q3vY7Opm0

「今でもたまに思うんです。できるのかなぁって」
「……」
「だって、周りのみんなは凄い子達だから。可愛かったり、かっこよかったり、情熱があったり……。
 私に無いものを持った子はたくさんいて……みんな大好きで、心から尊敬してるんです」
以下略 AAS



55Res/32.04 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice