37: ◆DAC.3Z2hLk[saga]
2018/04/20(金) 00:43:41.59 ID:Q3vY7Opm0
そんなこと、今まで誰にも言ったことがありませんでした。
身を投じる現実が、いかに広くて不透明か。
壁を越えた先にある「それ」の重さが、今思い出したように一気に体にのしかかってきたんです。
言わなかったということは、考えもしなかった……もっと言えば、考えるのを避けていたということで。
怯える私を、お父さんはじっと見ていました。
そうして、大きくてごつごつした手で、ぽんと私の頭を撫でました。
「できるち言うたど」
「でも……」
「お前のことはよう知っとう。何でん、できるまで絶対やめん子や。俺と母さんの子や」
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