6:名無しNIPPER[sage]
2018/04/20(金) 00:01:04.16 ID:lmgKjGix0
「えっと、その……ありがとうございました」
喫茶店に入り、席に座ると落ち着いたのかきちんとお礼を言われる。
「気にしない、気にしない。困ってるのを見たら放っておけなかっただけだから」
さすがにずっとあなたを見てましたなんて言えるわけもないよね。
「で、こんなところに一人でいるなんてなにかあったん?」
「……実は両親と喧嘩して家を飛び出してきたんです」
ああ……私が彼女に興味を持ったのは仲間だったからか。きっと同じような空気を持っていたのだろう。
「ふーん、なら私と同類だね。私も親と喧嘩して家を飛び出してきたんだー」
予想もしてないことを聞いたのだろう。きょとんとした顔でこっちを見つめてる。
「ま、どんな事情があったのかは人それぞれだから。いろいろあったんでしょ」
「そう……ですね」
「それより見た感じ家出してきたって割には荷物とかも少ないけど大丈夫なん?」
「かさ張る荷物なんかは駅のコインロッカーに預けてあるから大丈夫です。ただ……」
あまり深入りするつもりはなかったのだけど少女は次から次へと事情を話していく。
曰く、夢があったけども両親がそれを認めてくれないし大ゲンカになってしまい、東京に来て両親を見返してやろうと思って家出したこと。
とはいえ現実はそう甘くはなくて結局何も進まないまま手持ちのお金もなくなりかかってしまったということ。
せめて明後日まで東京に居られれば最後のチャンスに挑戦できるから滞在したかったが手持ちのお金がもうないということ。
「ほーん、そんな頑張って叶えたい夢ってなんなの?」
「実は……アイドルになりたいたんです」
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