高垣楓「君の名は!」P「はい?」
1- 20
76: ◆PL.V193blo[sage]
2018/04/20(金) 21:26:02.39 ID:NMaauvKO0

「――――――降れと申すか? 貴様」
「さに申してはおりませぬ。しかし会津に千万両のご恩を賜りし我ら、会津と運命を共にせぬものが一人もおらぬのは、忍びませぬ」

差し向かいの男は、大あぐらをかいて左手の杯を舐めている。
座っていても、並外れた大柄であることがわかる。六尺近くはあったというから、平均身長が五尺二寸程度のこの時代では、まさに大男だ。
生来の左利きであるがゆえ、作法通りに右脇に刀を置いているものの、ことこの男に限っては、なんの安全弁にもならない。

「それは降れという意味だ。会津はすでに降伏に傾いておる。土方は既に仙台を抜け、蝦夷へ渡る肚を固めた」
「それには、隊を割るべきでござる。脚の動かぬもの、剣を既に握れぬもの。蝦夷まで行ってもうひと戦など、おぼつきませぬわ」

副長・土方をなんら憚らず呼び捨てにする不遜、ぐいぐいと杯を干し、しかし呑むほどに据わる炯炯とした両眼。
一目で大幹部とわかる貫禄だが、その佇まいに世慣れた鷹揚さなどはまるでない。

抜き身の剣、そのもののような男だ。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
163Res/145.27 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice