高垣楓「君の名は!」P「はい?」
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72: ◆PL.V193blo[sage]
2018/04/20(金) 21:21:55.27 ID:NMaauvKO0
『――――ッ!!』

白坂口の戦いで官軍の奇襲を受けた時、こいつは砲弾を顔面に食らった。
赤い肉片を噴いて五間も六間も吹っ飛ばされるこいつの身体が目の端に映った時、さすがに胆が冷えた。
周囲の兵士で、思わず動きを止めてしまう者も何人かあった。歴戦たるこいつの存在は、すでに一介の兵卒にはとどまらぬものがあったからだ。
前線の士気が崩れかけた時、その雄叫びは聞こえた。

――――退くな!!

修羅が居ったよ。
脳漿を噴き洩らし、肉塊となった右の目玉をでろりとぶら下げたまま、ずんずんと怒らせるように歩み、続けて咆えた。

――――退けば撃たれる! 倒れていたらとどめを刺されるぞ! 立ち上がれ! 剣を下げるな! なんでも良いから前に出ろ!
生きるために、戦え! 退くな、一歩も退くな!

面を血まみれにしながらかまわず喚き、一分の迷いもなく斬り込んでくるあいつの姿は、敵もさぞ恐ろしかったろうな。
あの気の優しい男が、人を斬るために己に憑りつかせた、修羅であったよ。
結局、戦線は持ち堪えた。その戦いにおいて我らは政府軍を挟撃し、一時的に押し返すことに成功した。




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