高垣楓「君の名は!」P「はい?」
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53: ◆PL.V193blo[sage]
2018/04/20(金) 20:54:06.01 ID:NMaauvKO0
「かえちゃんやったら、そのお人の事を諦めても、絶対幸せにしてくれはる人がいっくらでもおる。お互い、納まるべきトコに、納まるべきや」

そんな法外な金額であっても引く手あまたというのが、鯉風太夫という女性であった。

――――全国の花街の投げ込み寺に無縁仏として葬られた遊女の数は、優に十万を下らぬという。

人並みの生活ができる遊女はほんの一部で、ほとんどの遊女は過酷な労働環境を強いられ、二十代のうちに使い潰され死んだ。
病をもらい回復の見込みもないと言って、息のあるうちに寺に放り込まれた哀れな遊女もいる。

苦界はまさしく、地獄であった。彼女らがそんな地獄から脱する手段は、死ぬか、身請けされるかであった。

たとえ運よく年季明けまで勤められたとしたとて、幼いころに売られずっと花街で過ごしてきら彼女らが、それ以外の生き方などできない。
人並みの生活を得られる唯一の手段は、嫁に貰われる以外になかった。結婚は、女たちの夢であった。

太夫のように、せっかく来た身請けの話を蹴ってもなお次がある、というのは、たいそう恵まれており、また贅沢な話であったのだ。


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