高垣楓「君の名は!」P「はい?」
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107: ◆PL.V193blo[sage saga]
2018/04/23(月) 07:00:59.28 ID:uqQOtxCi0
◇◇◇◇

「――――この石段は……明治維新の後、鎮魂の意味を込めて、士族となった元お侍さんが積み上げたそうです。侍神社という名前の由来だそうです、全部で、二百段近くあるそうですよ。」

果てしない石段をくるむような背の高い木々がひんやりとした空気を冷やし、月光のような木漏れ陽が、森と岩肌を、碧く照らす。
先ほど通った赤い鳥居は、俗世と神域の境目だそうだ。
そう聞けばなるほど、この雰囲気は清浄で、幻想的で、何か別の世界に、ふっと迷い込んだような気にもさせる。
まさに俗世から離れた坂。神域に至る道。
――――しかし、すいません。

「そう……ですか……そりゃ……ハアッ……気合、入って、ますね……」
「ふふっ、プロデューサー、頑張って♪」

この運動不足のアラサーは、この空気感に浸る間もなく神域に召されそうです。やべえ。

「ぐぬっ……ふんっ……情け、ねえ……」

少し先を見れば、僕の太腿くらいのウエストしかない細身で、楓さんはひょいひょい笑顔で石段を昇っていく。
歯を食いしばってる僕に対して、余裕しゃくしゃくって感じだ。
元々それなりに体力に自信があった方だが、普段からハードなステージをこなしている現役アイドルに水を開けられ、現状をありありと思い知らされる。

「さっ……プロデューサー、頂上ですよっ」

二段飛ばし位の勢いで、タタンッと軽やかに駆け上り、振り返って両腕を僕に伸ばした。
楓さんの背に、森が開けて白い光がまぶしく、まるで後光のようだ。

太陽光の中で、楓さんが穏やかに微笑んでる。

――この人の隣を歩くには……まずは体力、作り直さなきゃな。
そう思いつつ、右手を伸ばすと、楓さんの華奢な両手が優しく僕の手を包み、引き揚げてくれた。




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