7: ◆.s5ziYqd8k
2018/04/16(月) 22:06:11.28 ID:xaEfnyHJ0
街を跨いで『柱』の根元へと龍が降りる。
「ご苦労、大儀である。よしよし」
「ありがとうございました」
お辞儀をして、顔を上げた時には龍は最初からそこにいなかったように消えていた。
「消えちったねぇ、霊子ってのぁ便利なことで」
やよいの言葉は私の心そのままで、魔法のようなそれには感嘆の溜息が漏れる。
知ってはいても、見たときの驚きと嬉しさはひとしおだ。胸が少しだけ高鳴っていく。
……薄い胸のくせに。
「見てわかっちゃいたけどたっかいねえ。空を支えるっていうけど、空はどれくらいの高さにあるんだろうね?」
「きっと……ずっと高い場所かな」
「東京タワー何本分?」
「どうだろ……」
「入ってみる? さすが観光地、150階までなら登れるとさ。ガイド付きで1000円だって」
やよいの柔らかい眼差しは、私がなんて答えるのか予想がついているのだ。
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