4: ◆.s5ziYqd8k
2018/04/16(月) 22:02:58.50 ID:xaEfnyHJ0
空の街。地上からは見えない街。
そこに行きたいなら決められた場所から、不思議な手続きでないとダメ。
「ようこそ高天原へ。空を支える神の地をお楽しみください」
ある意味テーマパークみたいなものかもしれない。
和服を着こなした美人さんの笑顔に迎えられて、不思議な扉を潜ればそこは空の街。
「うんうん、これぞファンタジーだねぇ。私らも神様の仲間入りなのかなぁ」
「どうかな……ご飯を食べたら帰れなくなっちゃうかも」
重厚な扉も、やよいにかかれば教室の扉と変わらないみたい。無造作に開けたのをしめるのが私の仕事。
やよいはもう、楽しみで仕方ないらしい。
あっという間に飛び出して古い木造の街並みを駆け抜けていく。
「……凄い」
街はカラフルだ。木造でも装飾はきらびやかで、朱と漆、金だってふんだんに使われていて、神様がいてもおかしくない気がする。
……私は、たぶん、ここを歩く誰よりも地味。そのくせ背は高いから頭が飛び出てしまう。
さっと前髪をおろして、やよいの後を追う。せめて、私を見る誰かの視線が目に入らないように。
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