3: ◆.s5ziYqd8k
2018/04/16(月) 22:01:30.55 ID:xaEfnyHJ0
「ユミカは今日もかわいいねぇ。こりゃ空の人も惚れちゃうね」
「そんなことないよ……やよいの方が可愛い」
「あっはっは、ありがとありがと。旅立ちにはおしゃれしないとねぇ」
「私はこれで良かったのかな」
「もち、もち。最高に可愛いからだいじょーぶだよ。私を信用したまえ」
元気に笑うやよいは物怖じもせずはしゃいでいる。慣れない都会、摩天楼は見上げても一番上がわからない。
白のワンピースに青色の生地が重なって、包まれる私はどうにも不安だ。可愛い服なんて、私なら選べない。
「こっちこっち、はぁー高いビルだねぇ。天まで届きそう」
本当にその通りだ。前髪で見えにくいけれど、ビルの上の方には雲がかかっているように見える。
田舎暮らしの身には、ちょっと怖い。
エレベーターだって、早くてガラス張り。みるみるうちに空まで登っていく。
「ねえユミカ」
「なに?」
「空は綺麗だねぇ」
「うん」
空が近づいてくる。きらきらとした、透明な空の天井が近づいてくる。
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